赤ちゃんの向き癖・頭の形、どうする? 新米ママのための安心ヒント
赤ちゃんの向き癖や頭の形、気になっていませんか?
生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ自分で体の向きを自由に変えるのが難しいため、いつも同じ方向ばかり向いてしまう「向き癖」がつきやすいものです。そして、「うちの子、いつも右(または左)ばかり向いているけど大丈夫かな?」「なんだか頭の形がいびつになっている気がする…」と、赤ちゃんの向き癖や頭の形について気にされている新米ママもいらっしゃるのではないでしょうか。
周りの赤ちゃんと比べてしまったり、インターネットで調べると色々な情報が出てきて、かえって不安になってしまうこともあるかもしれません。でも、安心してください。赤ちゃんの向き癖は多くの赤ちゃんに見られること、そして頭の形も成長とともに変わっていくことが多いのです。
この記事では、赤ちゃんの向き癖について、なぜ起こるのか、どのようにケアすれば良いのか、そして頭の形に関する心配事を少しでも和らげられるようなヒントをお届けします。完璧を目指すのではなく、「これで大丈夫かな」という日々の小さな不安を軽くするお手伝いができたら嬉しいです。
なぜ赤ちゃんには向き癖がつきやすいのでしょうか?
赤ちゃんに特定の向き癖がつきやすいのには、いくつか理由があります。
- お腹の中での姿勢: 妊娠中にお母さんのお腹の中で同じ姿勢をとっていた名残で、生まれた後もその向きが落ち着くことがあります。
- 居心地の良い方向: 赤ちゃんにとって寝心地が良い、落ち着く方向や姿勢があります。
- 興味を引かれる方向: 窓からの光、お母さんや家族の声、気になるものがある方向などを無意識に追ってしまうことがあります。
- 体の構造: 一時的に首の筋肉に左右差があったりすると、特定の方向に向けやすいことがあります。
多くの場合は一時的なもので、赤ちゃんが成長し首がすわってくると、自分で自由に体の向きを変えられるようになり、自然と改善していくことがほとんどです。
向き癖が気になる時にできること
向き癖そのものは病気ではありませんが、同じ方向ばかり向いていると、頭の形が少し平らになったり、いびつになったりすることがあります。このような頭の形の変化は「位置的頭蓋変形症」と呼ばれ、向き癖によるものが大きな原因の一つです。見た目が気になる、と心配されるママもいらっしゃるかと思います。
頭の形の変化を防ぐ、あるいは目立たなくするために、日々の生活の中でできるケアがあります。
1. 寝る時の向きを工夫する
- 寝かせる向きを変える: 赤ちゃんを寝かせる向きを、日によって、あるいは授乳のたびに変えてみましょう。例えば、普段向いているのと逆方向に壁が来るように寝床の向きを変えたり、声かけをする位置を調整したりするのも良い方法です。
- タオルの活用: 赤ちゃんの体の下に薄手のタオルなどを丸めて入れ、自然に向き癖と逆の方向に向きやすくなるようにサポートする方法もあります。ただし、赤ちゃんの顔が埋もれてしまうなど、呼吸を妨げることのないように、必ず目の届く範囲で行い、安全には十分に配慮してください。固い枕や厚みのあるタオルは使用しないでください。
2. 起きている時の遊び方で工夫する
- タミータイム(うつ伏せ遊び): 赤ちゃんが起きている時間に、目の届く安全な場所でうつ伏せ遊び(タミータイム)を取り入れてみましょう。これは首や背中の筋肉を鍛えるだけでなく、後頭部への圧力を減らすことにもつながります。最初は短い時間から始め、徐々に慣らしていきましょう。
- 抱っこの向きを変える: 抱っこする時も、いつも同じ向きだけでなく、左右交互に抱っこしたり、縦抱きにしたりと、赤ちゃんの頭にかかる圧力が分散するように意識してみましょう。
3. 赤ちゃんの興味を引く工夫をする
- 赤ちゃんの寝床の向きを調整して、窓の外や家族の姿が向き癖と逆の方向に見えるようにする。
- 声かけやおもちゃなどで、向き癖と逆の方向に赤ちゃんの視線や興味を誘導する。
これらのケアは、向き癖を完全に無くしたり、頭の形を完璧にしたりするためのものではありません。あくまで、赤ちゃんの頭に特定の方向からかかる圧力を分散させ、自然な成長をサポートするためのヒントとして試してみてください。
頭の形、どこまで心配すればいい?
赤ちゃんの頭の骨はとても柔らかく、生後数ヶ月の間は頭の形が変わりやすい時期です。向き癖などで一時的に平らになったりしても、赤ちゃんが成長して寝返りを打つようになったり、起きている時間が増えたりすると、自然と改善していくことが多いです。
ほとんどの場合、向き癖による頭の形の変化は健康や発達に直接的な影響を与えることはありません。しかし、もし以下のような点が気になる場合は、かかりつけの小児科医や専門家に相談してみることを検討しましょう。
- 頭の変形が非常に強く、見た目がかなり気になる
- 向き癖が非常に強く、片方の方向しか向けない
- 首の動きに明らかな制限があるように見える
- 月齢が進んでも向き癖が改善せず、頭の形がさらに気になる
- 運動発達の遅れが気になる
専門家は赤ちゃんの状態を正確に評価し、適切なアドバイスや必要であれば専門機関への紹介をしてくれます。一人で抱え込まず、気軽に相談してみてください。
完璧じゃなくても大丈夫、大切なのは赤ちゃんの成長を見守ること
赤ちゃんの向き癖や頭の形について、「もっと早くケアしていればよかった」「私のせいで形がいびつになったらどうしよう」と自分を責めてしまう必要は全くありません。一生懸命お世話しているからこそ、気になるのですよね。
多くの赤ちゃんが向き癖を持ち、頭の形も一人ひとり違います。それは赤ちゃんの個性の一つでもあります。ご紹介したケアは、あくまで日々の生活の中でできる「お手伝い」のようなものです。毎日完璧にできなくても大丈夫です。
大切なのは、赤ちゃんの健康と成長をあたたかく見守ること。日々の小さな変化に気づき、心配なことがあれば専門家を頼ること。そして何よりも、赤ちゃんとの触れ合いの時間、向き合う時間を大切にすることだと思います。
「うちの子はうちの子」と、他の子と比べすぎず、赤ちゃんのありのままを受け止める気持ちで、向き癖や頭の形についてもゆったりと見守っていきましょう。この記事が、新米ママさんの心が少しでも軽くなるヒントになれば嬉しいです。